会社を退職した後の気になる保険・税金のことをまとめました。退職後のことを前もって知っておくことで、やめた後の無職になる方へのお金の不安を少しでも参考になればうれしいです。
健康保険
- 全国健康保険協会(主に中小企業の会社員が加入)
- 健康保険組合(主に大企業の会社員が加入)
会社員の場合、健康保険料は会社側が半分と個人が半分の負担で済みます。
退職後は「全額自己負担」です。
家族がいるか?一人暮らしか?夫婦どちらか会社員か?など保険料を節税できるように1.2.3.から選択しましょう。
※家族の被扶養者になれば、健康保険料の負担はありません。
健康保険と国民健康保険給の給付内容の違い
国民健康保険(個人事業主、無職) | 健康保険(会社員) | |
療養の給付(家族療養費) | ◯ | 労災保険の給付対象と ならない病気やケガ ◯ |
高額療養費 | ◯ | ◯ |
出産育児一時金 (家族出産育児一時金) | ◯ | ◯ |
出産手当金 | × | ◯ |
傷病手当金 | × | ◯ |
埋葬料/葬祭費(家族葬裁料) | ◯ | ◯ |
1.退職後、健康保険→国民健康保険への切り替えする流れ
①会社に健康保険証を返却する。
②返却と同時に退職時会社から「健康保険資格証明証」を受けとる。
③退職日から14日以内に、住民登録をしている市区町村の市役所で
必要書類(健康保険資格証明証、マイナンバー、運転免許証などの本人確認書類)を持参して
国民健康保険への切り替えの手続きをする。
🟢国民健康保険計算機:https://sukima-manage.com/kokuho-keisan/
2.健康保険の任意継続被保険者となる
【要件】①、②の要件を満たすと、退職後2年間、退職前の健康保険に加入できる。
①健康保険に継続して2ヵ月以上加入
②退職後20日以内に申請
全額自己負担になるので、保険料は会社員の時の2倍になる。
退職日20日以内に、退職時に加入していた全国健康保険協会or健康保険組合の窓口で
必要書類(①、認印鑑、免許証などの本人確認書類)を持参して手続きをする。または、必要書類を郵送をする。
①任意継続被保険者資格取得申請書 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat240/r55/
②任意継続被保険者被扶養者(異動)届 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat240/r111/ 家族がいる場合
③任意継続被保険者資格喪失申出書 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat240/r108/ 任意継続終了
🟢税金・保険料シュミレーション:https://www.mmea.biz/simulation/calculation/
年収から所得税・住民税・保険料がわかる
3.家族の被扶養者になる
健康保険の被保険者である家族(親や子、配偶者)の被扶養者となば、健康保険料の負担はありません。
国民年金
会社員の場合、【国民年金+厚生年金】の両方に加入します。
退職後は、【国民年金】のみ強制加入です。
14日以内に、
個人の判断でiDeCo(確定拠出個人年金)を追加して加入できます。
新NISAなどの他の制度とあわせてどれに加入するか?検討しましょう。
雇用保険
会社員の時に、雇用保険に加入して保険料を支払ってきた方は、
要件を満たしていれば、一定期間、最終月給2/3の失業手当が支給されます。
積極的に活用しましょう
会社から「離職票」をもらい、ハローワークで手続きしましょう。
住民税
前年度の所得によって金額が決まる『後払い』の税金です。
毎月、給料から控除される(給料から差し引かれる)。「特別徴収」と呼ばれる。
退職後は、自分で納付書や銀行口座振込を利用して支払います。
「普通徴収」と呼ばれ、年税額を4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分割して納付します。
※退職時期によって手続きが変わります。
【1月〜4月に退職時】
・最後の給料で5月分までを一括納付。
【5月に退職時】
・最後の給料で5月分を納付。
・6月以降は、納付書で支払い。
【6月〜12月に退職時】
・最後の給料や退職金で6月〜翌年5月分までを一括納付。
・6月分以降は、納付書で支払い。
所得税
所得税は、1年間(1月1日〜12月31日分)の所得に対してかかる『前払い』の税金です。
給料所得
12月末に退職時
・12月に行われる年末調整で最終的な所得の納付額を確定させ、
所得税の調整(還付を受けたり、追加追納したり)します。
1月〜11月に退職時
・確定申告(2月16日〜3月15日)で最終的な所得の納税額を確定させ、
所得税の調整(還付を受けたり、追加追納したり)します。
退職所得については、「退職所得の受給に関する申告書」を提出します。
退職金から下記の勤続年数から計算した退職所得控除が差し引かれ、残りの金額が課税対象になります。
・勤続年数20年以下の場合
退職所得控除 40万円×勤続年数 ※最低80万円
・勤続年数20超
退職所得控除 800万円+70万円×(勤続年数ー20年)
税金や保険以外に準備しておきたいこと
クレジットカード
会社員でない場合(無職)、審査が厳しくなり、通りにくい可能性があります。
新たにクレジットカードを作成する必要がある方は、退職前に申請しておくのがオススメです。
生活防衛資金・貯金をしておく
生活防衛費は、1ヶ月の生活費の6〜12ヶ月分以上、貯金があると安心できます。
有給休暇の活用
有給休暇を確認し、可能であれば有給休暇を消化しよう。
住居、引っ越し
賃貸契約の際に保証会社の審査が必要なケースが多いようです。
・会社員の場合は、月収の1/3の賃料までは貸してもらえる。
・無職の場合は、「預貯金審査」ということで残高証明を提出して、審査を通過できる。